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【悲報】カプコンとコーエーの裁判、いまだ一審で係争中

両者の訴訟は、2016年5月18日現在、いまだに大阪地方裁判所で係争中らしい。
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(左:「真・三国無双7with猛将伝」(コーエーテクモ)のパッケージ画像 右:「戦国BASARA4皇」(カプコン)のパッケージ画像)


事件の概要

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先日、メールフォームを通じて株式会社コーエーテクモホールディングス(以下コーエー)様に照会したところ、下記の画像のようなご返答をいただいた。



この訴訟は以下のような経緯で提訴されたものだ。(以下MSN産経westの記事より引用)

ゲーム「戦国無双」法廷闘争に カプコン、9億8千万円賠償請求 特許権侵害訴え
2014.8.26 17:47
人気ゲームソフト「戦国無双」シリーズなどに採用されたシステムで特許権を侵害されたとして、ゲームソフト会社のカプコン(大阪市)が製造元のコーエーテクモゲームス(横浜市)を相手取り、約9億8千万円の損害賠償と販売差し止めを求める訴訟を大阪地裁に起こした。第1回口頭弁論が26日開かれ、コーエーテクモ側は請求棄却を求めた。

訴えによると、カプコンの特許は、シリーズ化されたソフトの続編を作動させる際、前作をゲーム機に読み込ませることで、追加のキャラクターやシナリオで遊べるシステム。コーエーテクモがプレイステーション(PS)2やPS3用に発売した「戦国無双」や「真・三國無双」シリーズなどで同様のシステムを採用し、カプコンの特許権を侵害したと主張している。

特許権を侵害したとするソフトの売り上げは総額約97億円に上り、そのうち特許のライセンス料に相当する5~10%の賠償を求めている。

コーエーテクモは「特許侵害の事実はない。徹底的に争っていく」とコメント。カプコンは「訴訟中の案件につきコメントできない」としている。

あらかじめ宣言しておくが、この訴訟について筆者は完全にコーエー側の肩を持っている。この記事を書くにあたり筆者は中立的な姿勢をとらない。カプコンの起こした訴訟がどうしても理の通らないものにみえて仕方がないからだ。

提訴に正当性はあるか

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少なくとも筆者の目にはカプコンの提訴は不当なものに見える。理由は以下の通りだ。

 ・ 本編と関係のない「特典」のみに使われる技術で売上の5~10%もの特許料を要求したこと。
 ・ 侵害が2004年に始まったと主張しているのに、訴えたのは2014年であること。

特に後者については擁護が難しい。権利が侵害されているのが事実であるとしても、10年近くも放置したことについて納得のいく理由は見当たらない。訴えたのが特許切れ(2014年12月29日)の直前であったことから、駆け込み提訴ではないのかという疑念の声も大きかった。
リンク: 係争特許の公開情報

子供の頃から「ストリートファイターⅡ」や「ロックマン」といったゲームに夢中になっていた身として、むしろ筆者はカプコンびいきだった。企業の姿勢に対する反感とゲームに対する思い入れは別物なので未だにこれらのゲームのファンである。だがこの提訴のニュースを聞いたときは「カプコンさん、いくらなんでもそれは無理筋なんじゃないの」との思いを余儀なくされたものだ。

この件について筆者と同様の感想を持つものは多かったと思う。
実際、当時のネット界隈においては、この訴訟についてカプコンの評判は著しく悪かった。

カプコンのリリースしていた「戦国BASARA」シリーズのゲーム性が、先行するコーエーの「戦国無双」シリーズと類似していたこともあり「カプコン、パクリ元を訴える」という題名のスレッドが巨大掲示板「2ちゃんねる」に立てられたりもした。当時はコーエーを擁護しカプコンを非難する意見が支配的であり、その逆はほとんど見られなかった。至極当然のことだと思う。

提訴の与える影響

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タイトルに悲報と書いたのは、これが非常に悲しい報せだからだ。

日本の裁判は長い。本当に長い。現に2014年の8月に始まった訴訟が2年近く経つ現在においても未だに解決していない。こうした裁判で長期にわたって不毛な争いを続けるのは、訴えられている側はもちろん、訴える側にとっても非常に負担の重いことだろう。

訴訟が長引けば長引くほど、弁護士費用等で当事者には莫大な経費がかかる。本来であれば「面白いゲーム作り」「魅力あるゲーム作り」に使われていたかもしれない予算が、こういったところで無駄に消費されて行くのは空しくないのか。
特許を濫用し、訴訟を吹っかけて金をふんだくろうとする人たちは、英語圏では「パテント・トロール(Patent Troll)」と呼ばれる。

カプコンも、コーエーも、過去に多くのヒット作を出してきた日本を代表するゲーム企業だ。こうした「面白いゲーム作り」と何も関係のないところで予算の浪費を余儀なくされるのは日本のゲーム業界にとってもマイナスではないのか。

古くからのゲームファンにとって、こうした事態は単純に悲しい。

終わりに

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たしかに日本の法制度にはある程度の問題がある。特許庁がソフトウェアに対する特許を安易に認めすぎるというところがあり、それにより自由な創作を縛り付けているという批判は大きい。だがそれはそれとしてメーカー間でのいわば「紳士協定」によって紛争を防止し、訴訟対応によるリスクや負担を軽減することは可能だったはずだ。

しかし今回のカプコンの姿勢はどうみても非紳士的に映る。商売が妨害されたというならどうして10年近くも放置していたのか。コーエーが同社の権利を侵害したというならばどうして権利を侵害された直後に訴えなかったのか。納得のできる理由はない。

正直、カプコンには呆れ果てている。
この「大義なき訴訟」を一刻も早く取りさげてコーエー側と和解してほしい。
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